中国料理の知恵を生かした夏野菜の料理の(下)は、キュウリとナスです。四川料理のシェフ荻野亮平さんのレシピは、「味わいは本格的、調理法は手軽」。どこに秘密があるのでしょうか。(長沢美津子)
記事の後半で、2品のレシピを詳しくお伝えします
夏の水分補給に役立つキュウリを、生だけでなく中国では加熱してよく食べる。炒めものは定番。そして、すりおろした「キュウリのスープ」に、荻野さんは、四川省のレストランで出会った。
「清湯(チンタン)と呼ぶ肉からとる澄んだスープに、具は揚げたピータン。キュウリの緑色が映えて印象的でした」
日本料理の「緑酢」は、おろしキュウリを酢の物に仕立てるが、こちらは温かいスープで青い香りを楽しむ。
これを家庭向きにアレンジ。覚えると便利なのが、鶏もものひき肉からとるスープだ。水と肉を混ぜて火にかける手順に最初は驚くが、手軽でうまみは十分。肉はそのまま具材にもなる。
「鶏むねのひき肉ではあっさりしすぎるので、もも肉がおすすめ。鶏ガラや手羽先よりも短時間で濃いスープがとれます」と荻野さん。
キュウリは皮ごとおろしてたっぷり加え、味付けは塩を少し強めにする。酒などは加えない方が、キュウリの香りがすっきり際立つ。枝豆は、味わいも見た目にもいいアクセントになる。
■キュウリのスープ
【材料・2人前】 キュウリ1本(120g)、鶏ももひき肉120g、ゆでた枝豆適量、水360ml、塩小さじ½
【作り方】
①キュウリをおろし金でおろす。
②鍋にひき肉と冷たい水を入れ…